目次 
1.最新バージョンのLinux Mint (64-bit, MATEデスクトップ版) をまっさらなPCにインストールします. 
- これには実物のPCが必要です.
- AR Sandbox はバーチャルマシンでは動作しません.
- Linux Mint のインストールマニュアルはこちらにあります.
2.Nvidia製のグラフィックカードを使うためにベンダーのドライバーをインストールします. 
- コントロールセンターを開いて, “Driver Manager”を選択します.パネルが開いて利用可能なドライバーがリストアップされるまで待ってください.
- その後,推奨されるNvidiaバイナリードライバーを選択して“Apply Changes.” ボタンを押します.
- 変更が完了するまで待って(しばらくかかります),コンピューターを再起動します.
3.Vrui VR toolkitをインストールしてビルドします. 
- ターミナルを開いて以下のコマンドをこの通りに入力します(心配な場合は,コピペして一行でごとに入力してください).
- 〜は ユーザーのホームディレクトリを意味します.
cd ~
wget http://idav.ucdavis.edu/~okreylos/ResDev/Vrui/Build-Ubuntu.sh
bash Build-Ubuntu.sh
- 最後のコマンドで走るスクリプトは,必要不可欠なライブラリをインストールするためにユーザーパスワードを要求します, その後,Vrui VR toolkitをビルドします. 多くのプロットが流れてしばらくかかった後,最後に地球儀が画面ではじけて終了します.窓を閉じて,前のターミナル画面に戻ってください.
4.Kinect 3D video packageをインストールします. 
cd ~/src
wget http://idav.ucdavis.edu/~okreylos/ResDev/Kinect/Kinect-3.2.tar.gz
tar xfz Kinect-3.2.tar.gz
cd Kinect-3.2
make
sudo make install
sudo make installudevrules
ls /usr/local/bin
- 最後のコマンドでリストアップされるものの中に KinectUtil と RawKinectViewerがあることを確認してください.
5.AR Sandboxのソフト本体をインストールします. 
cd ~/src
wget http://idav.ucdavis.edu/~okreylos/ResDev/SARndbox/SARndbox-2.3.tar.gz
tar xfz SARndbox-2.3.tar.gz
cd SARndbox-2.3
make
ls ./bin
- 最後のコマンドでリストアップされる中に CalibrateProjector と SARndboxがあることを確認してください.
- AR Sandbox calibration utility とメインのアプリは ~/src/SARndbox-2.3/bin のディレクトリ下にできています.
6.第一世代のKinectデバイスを接続して,そのファームウェアから機器固有の調整パラメータをダウンロードします. 
sudo /usr/local/bin/KinectUtil getCalib 0
- パスワードをきいてくるので入力して続けてください.
- これによりキネクト本体のファームウェアにある出荷時のキャリブレーション情報がダウンロードされて,PCの /etc/Vrui-3.1/Kinect-2.8/に保存されます.
7.Kinectの向きを調整して,カメラの視界がサンドボックスの内側をカバーするようにします. 
- Kinectの向きの調整は,RawKinectViewerアプリを使ってモニターしながら行います.
- 以下のコマンドをターミナルで入力して起動します.
cd ~/src/SARndbox-2.3
RawKinectViewer -compress 0
- AR Sandboxは立体センサー画面(左)のみ使いますが,カメラ画面(右)は本体の無知を調整する際に補助として使えます.
8.サンドボックスの底面を算出します. 
- Step4から始まるこちらの動画または新しくつくったこちらの動画に従ってください.
- 7.のステップで起動したRawKinectViewerアプリをそのまま使います.
- 砂箱が見えやすいようにウィンドウを拡大しておきます.
- マウスの右ボタンを長押しするとメニューが出てくるので,その中から「 Average Frames」を選択します.
- 数字の1キーを長押しするとメニューが出てくるので,「Extract Planes」を選択し,キーから手を離します.
- 立体センサ画面内に写っている水平面の内側に四角形を描きます.
- 平面内の左上のコーナー付近にマウスカーソルを合わせます
- 1キーを押しながらカーソルを右下までマウスカーソルをドラッグします.
- 1キーを離します.
- ターミナルウィンドウに2行の文字列が表示されますが,その2行目の「*」以降をコピーします.
- コピーした文字列を~/src/SARndbox-2.3/etc/SARndbox-2.3Box/Layout.txtというテキストファイルにペーストします.
- ペーストした文字列のうち,「=」の箇所を「,」に修正します.
- BoxLayout.txtはSARndboxのソースディレクトリ内のetc/SARndbox-<version>にあります.
- BoxLayout.txt の例(ここで設定するのは一番上の行です)
(-0.0302053, -0.0164072, 0.999409), -100.1997 //水平面(海水準)のパラメータ(鉛直ベクトルと深さ)
( -28.4518, -36.6135, -99.2554) //sandboxの四隅(左下)
( 36.3453, -36.2071, -100.039) //sandboxの四隅(右下)
( -28.321, 35.1049, -102.783) //sandboxの四隅(左上)
( 36.313, 34.6932, -99.9503) //sandboxの四隅(右下)
- Linux Mintのデフォルトエディタの “pluma”を使ってファイルを編集するには,ターミナルで以下のコマンドを使います.
cd ~/src/SARndbox-2.3
pluma etc/SARndbox-2.3/BoxLayout.txt &
- 二つ目のコマンドの後ろにある&は,テキストエディタを起動中でもターミナルウィンドウを表示させたまま使えるようにするためのものです.
- ここで,動画でも説明しているように,底面の定義式を入力します.
- マウスを使ってターミナルに表示されている文字を反転させてから右クリックしてコピーします(Shift-Ctrl-cでもOK).
- テキストエディタの “Edit” メニュー( または Ctrl-v)で,ターミナルからコピーしてきた文字をペーストします.
【巧みの技: 】テキストを異なるウィンドウ間ですばやくコピペする方法
- : コピー元の画面のテキストをマウスで反転させます
- : コピー先の画面にマウスを移動させてペーストしたい箇所で中ボタンをクリックします.
9.砂の表面の3次元的広がりを計測します. 
- 新しくリリースされたKinect-3.2パッケージでは, この設定は,次の動画の 4:10から始まっているインストラクションにあるとおり,RawKinectViewer内でも可能です.
- 砂箱のコーナーを測定する際に,左下・右下・左上・右上の順番で行うように留意してください.
- 動画で解説されているとおりに砂箱の四隅の座標をテキストエディターにコピーした後,ファイルを保存し ( “File” メニューあるいは Ctrl-s),エディタから抜けてください (“File” menuまたはCtrl-q).
BoxLayout.txt の例(ここで設定するのは2〜5行目です)
(-0.0302053, -0.0164072, 0.999409), -100.1997 //水平面(海水準)のパラメータ(鉛直ベクトルと深さ)
( -28.4518, -36.6135, -99.2554) //sandboxの四隅(左下)
( 36.3453, -36.2071, -100.039) //sandboxの四隅(右下)
( -28.321, 35.1049, -102.783) //sandboxの四隅(左上)
( 36.313, 34.6932, -99.9503) //sandboxの四隅(右下)
10.プロジェクタの投影がサンドボックス内に収まるように本体の向きを調整します. 
- Vrui’s XBackground utilityアプリがキャリブレーショングリッドを描画してくれますので,それをガイドとして使うことができます.以下のコマンドを入力してください.
XBackground
- キャリブレーショングリッドが映し出されたら,ショートカットキーでフルスクリーンにします.
- キャリブレーショングリッドがフルスクリーンになっていることを確認してください.タイトルバーやデスクトップパネルが消えているはずです.
- プロジェクタの向きが決まったら Escキーを押してXBackgroundを閉じます.
11.Kinectカメラとプロジェクタの相互関係を調整します. 
- CalibrateProjector utilityを起動します.
cd ~/src/SARndbox-2.3
./bin/CalibrateProjector -s <width> <height>
- ここで,<width> <height> はそれぞれプロジェクター解像度の幅と高さ(ピクセル)です.例えばXGAプロジェクタの場合は以下のようになります.
./bin/CalibrateProjector -s 1024 768
重要
CalibrateProjectorはフルスクリーンで起動してください. その後,動画の10:10以降の説明に従ってください.
12.いよいよメインのAR Sandboxアプリの起動です. 
cd ~/src/SARndbox-2.3
./bin/SARndbox -uhm -fpv
- SARndbox’sをフルスクリーンにしてください.そうしないと上記の調整は反映されません.
“AR Sandbox post-installation setup” では,起動の自動化やより細かなチューニングについて説明しています.